朝生について感じたことをつぶやく

先般、朝生でも議論されていたが、今後の中国の軍事力と日本の武装に関して。

その話の中でこう述べられていた。「今後５年先、十年先には中国の軍事力は今の日本の何十倍にもなり、その頃には如何に日本が武装していても対抗できるものではない」と。。。

そこで問題なのが、今後５年先十年先の世界の情勢がどうなっているのかという視野が全く含まれていない。更に現在の中国の国内事情というものも視野に入っていない。

今中国の国内事情がどうなっているのか？

国の体制に批判的な国民が一昔前と比べるとかなりの数で増えてきている。それだけではなく、声を上げて批判したり、行動を起こすという状況にまでなっている。これらの状況というものはこれまでの中国から考えると信じられない事態である。

更には北朝鮮においても同様のことが言える。

そして日本においても今後起こりうる現実である。今はまだ日本国内の経済状態が最悪の非常事態には至っていない。しかし今年、そして来年に向けて更なる景気低迷が続き、増税に加えて、倒産やリストラに関連し失業者の増加、収入の減少などがやってくる可能性が非常に高いのだ。その時には日本においても国民の不満が爆発することになる。

このような状況下において、果たして今後益々中国政府が軍事力に力を入れて日本の領土を支配して・・・などと考えるだろうか？

これから先の国際社会についてもっと現実を理解しなければいけない。果たして今後も相手の領土を奪い、自国だけの権利を主張して・・・・などどいう時代が続くのだろうか？

中東情勢を見てもそうであるが、武力で国民を支配したり他国に対して抑止力を主張しているのは政府のお役人たちが中心であり、国民はもっと平和的な共存を願っている。

それはイスラエルにおいても同じことが言える。イスラエルにおいても国民は周辺国家と和解し共存しようという世論が高まっている。

今世界中には旧体制に対する不満感情が充満しており、もうそれが爆発寸前である。貧富の差を初めとし今日食べるものがない。今日住む家が無い。寒さを凌げない。そんな中で自国内だけでは、エネルギーや食糧、それら以外にも様々に解決すべき問題をもう処理しきれない状況にあるのだ。

そんな世界の情勢の最中に自衛のための軍備武装だ何だと言っているのは現実を知らない学者たちだけである。

ただ今回朝生に参加した学者の主張はそれぞれに一長一短があったと思うが、結論的に軍備武装が必要だという意見についてはナンセンスである。

今、侵略戦争を起こしてプラスになる国はどこにもない。プラスになるのは戦争を影で策略して、離れたところで傍観している闇社会の組織だけである。


また価値観の共有という話も出てきた。

ドイツとフランスが共存しているのは価値観の共有が出来ているからだという話の流れで、日本と中国はそれが無理がという話になった。これもナンセンスである。

こんな例えは成り立たないという考えもあるが幕末の日本において薩摩と長州は犬猿の仲と言われていたが、彼らも人間である。衣食住が価値観の根底にあり、生きるためには食べなければならない。生きるためには資源が必要なのである。

現に日本国内において中国人も韓国人もアメリカ人、その他の多くの人間が住んでいるのです。
確かに事件も多く起きているが、何も事件は中国人だからとか、イラン人であるからだとかではなく、事件が起きている根本は人種にあるのではなく、価値観にあるのではなく、そこには生きるための自己防衛としてい発生しているということが事実である。

生きるための自己防衛とは経済的充足ということである。金銭的トラブルから来ることが多い。
資本主義経済の世の中で生きるために経済的充足が不可分である。

もちろん発生している事件には些細なこと。感情的縺れもあるだろう。しかし感情的縺れの原因の中には、心にゆとりが無いということから起きることも非常に多いのだ。
精神的なゆとりは経済的充足が大きく関係している。

経済的に貧しくなれば心も貧しくなるということが多い。


要するに日本と中国との価値観の共有は十分可能である。そもそも中国には儒教や仏教を根底に持つ思想がある。それが共産党政権になり共産主義の価値観が政府の基盤にあるが故に日本とは水と油であると考えがちだが、今は中国内においても共産主義の価値観が崩壊寸前なのだということを分かっていない理論である。


最後に朝生について言いたいのは、田原総一郎氏は自分の主張を通したいのか、それともただ議論したいのか、または議論することで更に価値観を共有したいのか。

もう少し立場をハッキリして欲しい。

ただ馬鹿げたような討論でも、他者の意見だけではなく、自身の意見においても限界を認識し、いつかは共通点が導き出されるだろうと思う。そして２１世紀に相応しい全く新しい価値観の樹立が必要なことに気付いて欲しい。