ミッドな夜にミッドなトークをお届けするミッドナイトトーク。
ネット放送局「ユニミックス」の番組、ミッドナイトトークは、こちらのブログの日記がベースになっています。
真実を追究していくことがミッドナイトトークのテーマです。
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「かんぽの宿」疑惑は解消されるどころか、ますます拡大している。
問題の本質は、日本郵政が「競争入札」と表現した一括売却先の選定過程全体が不透明で、人為的にオリックス不動産に安値売却することが決定された可能性が濃厚になったことだ。
日本郵政株式の100%を政府が保有している。日本郵政グループは紛れもない国有会社であり、行政、国会、国民の監視下に位置する企業である。
不当に安い価格で日本郵政保有資産を売却するなら、株主に対する背任になる。刑法の背任、あるいは商法の特別背任の疑いが生じる。法律では未遂も罰せられる。
3月13日の衆議院総務委員会では、オリックス不動産が昨年10月31日に提出した最終提案書に、日本郵政宿泊事業部長の福本誠氏をオリックスのホテル事業会社の副社長に迎えることが書き込まれていたことが明らかにされた。民主党の原口一博議員の追及で明らかにされた。
福本氏は「かんぽの宿」入札提案書の審査員である。福本氏が副社長で受け入れられると、福本氏の利益にはなっても国民の利益にはならない。また、雇用維持条件についても、オリックス不動産と争ったHMI社は正社員620人すべての雇用継続を提案したが、オリックス不動産は正社員の一部である550人のみの雇用条件維持しか提案していなかったようだ。
この一括売却先決定に不正があれば、西川社長を筆頭とする日本郵政関係者、メリルリンチ日本証券が刑事捜査の対象になる。それだけの重大な問題が内包されている。
地検特捜部が「献金問題」だけを捜査して、「郵政利権疑惑」を捜査しないなら、地検国策捜査部に名称を変更するべきだ。
問題が表面化したのは、鳩山邦夫総務相が本年に入って問題を提起したからである。鳩山総務相の指摘は適正であり、鳩山氏の問題提起を「根本的に誤っている」と評した竹中平蔵氏の考え方は「根本的に誤っている」。
「かんぽの宿」を期限を定めて売却することを法律に盛り込むことを指揮したのは竹中平蔵氏である。日本郵政の「コア業務」=「本業」でないことがその理由とされた。ところが、その竹中氏が日本郵政の不動産事業を積極奨励してきた。不動産事業は日本郵政の「本業」=「コア業務」ではない。完全な矛盾である。
2005年に日本郵政株式会社法案を定めた段階から、オリックスに安値売却する方針が存在した可能性が検証されなければならない。
「かんぽの宿」疑惑が表面化して、「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」であるとの疑いが濃厚に浮上した。竹中氏は郵政民営化を仕切った人物として、このような疑惑浮上に激怒し、問題の全容解明を強く訴えるのかと思われたが、正反対の行動を示した。
疑惑を解明しようとする鳩山大臣を「根本的に誤っている」と攻撃し、次から次へと疑惑が表面化するなかで、日本郵政によるオリックス不動産への109億円での一括売却決定を闇雲に正当化しようとする発言を繰り返して現在に至っている。
町田徹氏の衆議院総務委員会における陳述によると、「かんぽの宿」赤字は2007年度には5億円程度に激減したという。ところが、不思議なことに、日本郵政発足後の2008年度に40-50億円の赤字に急拡大する見通しだという。竹中氏は1月19日の産経新聞記事で「いまでも年間約50億円の赤字を計上している不良債権」と記述したが、50億円の赤字というデータをどのように入手したのか。
竹中氏に対する疑惑も「かんぽの宿」と同等に拡大している。竹中氏はテレビ番組に頻繁に登場し、産経新聞や日経新聞に意見を掲載しているが、テレビ出演はすべて「出来レース」の設定である。竹中氏を厳しく追及する論客との対論は回避されている。
国会が竹中氏を参考人招致するのは当然だ。3月17日の衆議院総務委員会は竹中氏の参考人招致を要請した。ところが、竹中氏は同委員会への出席を拒否した。「出来レース」の場でどれほど詭弁を示しても、国会で述べることが出来なければ「犬の遠吠え」にしかならない。
逃亡する竹中氏を国会に招致して追及する必要がある。参考人招致に応じないのなら、「証人喚問」に切り替えることを検討するべきである。
こうしたなかで、重大な意思決定の時期が迫っている。
郵政民営化委員会委員の任期がこの3月末で切れる。また、日本郵政取締役も任期満了を迎える。
郵政民営化委員は以下の通りだ。
田中直毅 国際公共政策研究センター理事長
飯泉嘉門 徳島県知事
辻山栄子 早稲田大学商学部教授
冨山和彦 株式会社経営共創基盤代表取締役最高経営責任者
野村修也 中央大学法科大学院教授
このなかの2名が、竹中氏の仲良しサークルと呼ぶことの出来る「ポリシーウォッチ」のメンバーに名前を連ねている。
ポリシーウォッチのメンバーは以下の通り。
竹中平蔵
加藤 寛
岸 博幸
木村 剛
冨山和彦
野村修也
ロバート・フェルドマン
郵政民営化委員会委員長の田中直毅氏は、「国際公共政策研究センター」理事長を務めている。2月中旬に小泉元首相がロシアを訪問したが、田中氏と奥田氏も同行した。「国際公共政策研究センター」は小泉元首相への便益供与を目的に創設された機関であるとの指摘もある。
「国際公共政策研究センター」の幹部は以下の通り。
会 長 奥田 碩
理事長 田中直毅
顧 問 小泉純一郎
郵政民営化委員会の5名の委員のうち、3名が竹中氏の「仲良しサークル」メンバーなのである。
他方、日本郵政株式会社の代表権を持つ役員は
代表取締役社長 西川善文
代表取締役副社長 高木祥吉
の2名である。高木氏は財務省、金融庁出身で竹中一家のメンバーである。
「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」、「郵政米営化」であったとの疑いが浮上した。重大な問題が浮上したからには、問題をすべて明らかにして、是正しなければならない。
「郵政民営化法」には、「3年後との総合的な見直し」が明記されている。日本郵政株式会社法附則第2条に「メルパルク」や「かんぽの宿」の期限付き売却規定が盛り込まれた。
また、「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の全株式の売却、「日本郵政」株式の3分の2までの売却、などが法律に明記されている。
「かんぽの宿」疑惑浮上によって、「郵政利権化」の疑いが極めて濃厚に浮上してきたのであるから、3年ごとの見直しに該当する2009年に、「コア部分」を修正することが不可欠である。
「コア部分」とは、
①郵政民営化委員会委員の刷新
②日本郵政株式会社代表取締役の刷新
③「かんぽの宿」および「メルパルク」売却規定の凍結
④日本郵政株式会社株式売却規定の凍結
⑤「ゆうちょ銀行」株式および「かんぽ生命」株式の売却規定凍結
である。
竹中氏が株式会社形態に移行したことをもって「民営化」と称している。であれば、「株式会社形態」を維持すれば「民営化」を逆戻りさせることにはならない。「株式会社形態」を維持しつつ、上記の①~⑤までを、直ちに実施するべきだ。
委員構成と経営トップを中立なものに改め、資産売却や株式売却をいったん凍結する。「かんぽの宿」疑惑などの全容を解明し、問題を完全に解消した段階で、資産売却や株式売却などについて、国民の見地に立って最も望ましい方策を決定すればよい。
大きな疑惑と問題を抱えたまま、資産売却や株式売却を強行すれば、取り返しの付かない事態を引き起こしかねない。
「かんぽの宿」疑惑が拡大し、「郵政民営化見直し」論議が浮上した途端、小泉元首相や竹中平蔵氏が慌てふためき、必死の形相で見直し阻止活動を展開している。
上述したように、小泉氏や竹中氏が「かんぽの宿」売却疑惑の不正を激怒するなら理解できるが、疑惑を否定し、重要な疑惑に頬かむりする姿勢自体が、新たな疑惑になっている。
小泉竹中一家にとって、この時点での「かんぽの宿売却凍結」、「株式売却凍結」、「郵政民営化委員および日本郵政代表取締役刷新」は、絶対に認められない事項なのだと推察される。
「郵政利権化」、「郵政米営化」が成就した段階で「成功報酬」的なものが竹中氏らに付与される契約になっているとの邪推も現実味を帯びる。
この意味で、上記①~⑤を実行することが強く求められる。
ところが、3月18日付日本経済新聞朝刊に「郵政民営化委員に田中直樹氏を再任」の見出しを付した記事が掲載された。
郵政民営化法は郵政民営化委員会委員を内閣総理大臣が任命すると規定している。法改正によりこの委員を国会同意人事に変更することが求められる。
日経記事が真実だとすると、麻生内閣が田中氏の再任を容認したことになる。麻生首相は国会で「郵政民営化に反対だった」、「郵政民営化4分社化の見直しが必要」と明言したが、その発言に沿って考えれば、委員の刷新が必要になる。ところが、実際の行動は違う。
ここで浮上するのが、麻生鳩山一家と小泉竹中一家の「手打ち」疑惑である。麻生首相と鳩山総務相が連携して展開した「郵政民営化見直し論議」、「「かんぽの宿」疑惑追及」が、自民党内抗争を有利に進めるための政治目的に利用された疑いが浮上するのだ。
小泉元首相が「笑っちゃうくらいあきれた」発言に連動して、自民党内での「麻生おろし」、定額給付金法案造反、新党設立などの動きが本格化した。
ところが、その後、小泉元首相が「政局から手を引く」意向を表明し、「麻生おろし」の動きが後退した。その一方で、小沢一郎民主党代表周辺への国策捜査が展開された。
鳩山総務相は東京中央郵便局建て替え問題にも介入したが、その後、日本郵政と折り合いをつけた。
鳩山総務相は日本郵政を厳しく追及する振舞いを示しているが、よく観察すると、すべての側面で「寸止め」している。西川社長更迭論も宙をさまよったままだ。「かんぽの宿」売却関係資料も日本郵政株式会社法第15条に基づく「立ち入り検査」を実施して、全容を解明できたが、実行しなかった。国会に報告すると明言しながら、現段階でも詳細が国会に報告されていない。
「郵政民営化推進派本尊のひとつ「アフラック」が定額給付金宣伝に見えるCMを放映していることも見落とせない。
野党はこれまで鳩山総務相と連携して真相解明を進めてきたが、鳩山総務相の行動に遅れが見られるなら、国政調査権を積極活用することが求められる。
参議院は野党が過半数を確保している。問題を闇に葬らず、全容を解明しなければならない。まずは、郵政民営化委員会委員と日本郵政最高幹部の刷新が不可欠だ。「郵政民営化見直し」に対する麻生内閣のスタンス変化を見落とさず、野党は国政調査権を活用して全容解明に進まなくてはならない。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-67e7.html
問題の本質は、日本郵政が「競争入札」と表現した一括売却先の選定過程全体が不透明で、人為的にオリックス不動産に安値売却することが決定された可能性が濃厚になったことだ。
日本郵政株式の100%を政府が保有している。日本郵政グループは紛れもない国有会社であり、行政、国会、国民の監視下に位置する企業である。
不当に安い価格で日本郵政保有資産を売却するなら、株主に対する背任になる。刑法の背任、あるいは商法の特別背任の疑いが生じる。法律では未遂も罰せられる。
3月13日の衆議院総務委員会では、オリックス不動産が昨年10月31日に提出した最終提案書に、日本郵政宿泊事業部長の福本誠氏をオリックスのホテル事業会社の副社長に迎えることが書き込まれていたことが明らかにされた。民主党の原口一博議員の追及で明らかにされた。
福本氏は「かんぽの宿」入札提案書の審査員である。福本氏が副社長で受け入れられると、福本氏の利益にはなっても国民の利益にはならない。また、雇用維持条件についても、オリックス不動産と争ったHMI社は正社員620人すべての雇用継続を提案したが、オリックス不動産は正社員の一部である550人のみの雇用条件維持しか提案していなかったようだ。
この一括売却先決定に不正があれば、西川社長を筆頭とする日本郵政関係者、メリルリンチ日本証券が刑事捜査の対象になる。それだけの重大な問題が内包されている。
地検特捜部が「献金問題」だけを捜査して、「郵政利権疑惑」を捜査しないなら、地検国策捜査部に名称を変更するべきだ。
問題が表面化したのは、鳩山邦夫総務相が本年に入って問題を提起したからである。鳩山総務相の指摘は適正であり、鳩山氏の問題提起を「根本的に誤っている」と評した竹中平蔵氏の考え方は「根本的に誤っている」。
「かんぽの宿」を期限を定めて売却することを法律に盛り込むことを指揮したのは竹中平蔵氏である。日本郵政の「コア業務」=「本業」でないことがその理由とされた。ところが、その竹中氏が日本郵政の不動産事業を積極奨励してきた。不動産事業は日本郵政の「本業」=「コア業務」ではない。完全な矛盾である。
2005年に日本郵政株式会社法案を定めた段階から、オリックスに安値売却する方針が存在した可能性が検証されなければならない。
「かんぽの宿」疑惑が表面化して、「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」であるとの疑いが濃厚に浮上した。竹中氏は郵政民営化を仕切った人物として、このような疑惑浮上に激怒し、問題の全容解明を強く訴えるのかと思われたが、正反対の行動を示した。
疑惑を解明しようとする鳩山大臣を「根本的に誤っている」と攻撃し、次から次へと疑惑が表面化するなかで、日本郵政によるオリックス不動産への109億円での一括売却決定を闇雲に正当化しようとする発言を繰り返して現在に至っている。
町田徹氏の衆議院総務委員会における陳述によると、「かんぽの宿」赤字は2007年度には5億円程度に激減したという。ところが、不思議なことに、日本郵政発足後の2008年度に40-50億円の赤字に急拡大する見通しだという。竹中氏は1月19日の産経新聞記事で「いまでも年間約50億円の赤字を計上している不良債権」と記述したが、50億円の赤字というデータをどのように入手したのか。
竹中氏に対する疑惑も「かんぽの宿」と同等に拡大している。竹中氏はテレビ番組に頻繁に登場し、産経新聞や日経新聞に意見を掲載しているが、テレビ出演はすべて「出来レース」の設定である。竹中氏を厳しく追及する論客との対論は回避されている。
国会が竹中氏を参考人招致するのは当然だ。3月17日の衆議院総務委員会は竹中氏の参考人招致を要請した。ところが、竹中氏は同委員会への出席を拒否した。「出来レース」の場でどれほど詭弁を示しても、国会で述べることが出来なければ「犬の遠吠え」にしかならない。
逃亡する竹中氏を国会に招致して追及する必要がある。参考人招致に応じないのなら、「証人喚問」に切り替えることを検討するべきである。
こうしたなかで、重大な意思決定の時期が迫っている。
郵政民営化委員会委員の任期がこの3月末で切れる。また、日本郵政取締役も任期満了を迎える。
郵政民営化委員は以下の通りだ。
田中直毅 国際公共政策研究センター理事長
飯泉嘉門 徳島県知事
辻山栄子 早稲田大学商学部教授
冨山和彦 株式会社経営共創基盤代表取締役最高経営責任者
野村修也 中央大学法科大学院教授
このなかの2名が、竹中氏の仲良しサークルと呼ぶことの出来る「ポリシーウォッチ」のメンバーに名前を連ねている。
ポリシーウォッチのメンバーは以下の通り。
竹中平蔵
加藤 寛
岸 博幸
木村 剛
冨山和彦
野村修也
ロバート・フェルドマン
郵政民営化委員会委員長の田中直毅氏は、「国際公共政策研究センター」理事長を務めている。2月中旬に小泉元首相がロシアを訪問したが、田中氏と奥田氏も同行した。「国際公共政策研究センター」は小泉元首相への便益供与を目的に創設された機関であるとの指摘もある。
「国際公共政策研究センター」の幹部は以下の通り。
会 長 奥田 碩
理事長 田中直毅
顧 問 小泉純一郎
郵政民営化委員会の5名の委員のうち、3名が竹中氏の「仲良しサークル」メンバーなのである。
他方、日本郵政株式会社の代表権を持つ役員は
代表取締役社長 西川善文
代表取締役副社長 高木祥吉
の2名である。高木氏は財務省、金融庁出身で竹中一家のメンバーである。
「郵政民営化」の実態が「郵政利権化」、「郵政米営化」であったとの疑いが浮上した。重大な問題が浮上したからには、問題をすべて明らかにして、是正しなければならない。
「郵政民営化法」には、「3年後との総合的な見直し」が明記されている。日本郵政株式会社法附則第2条に「メルパルク」や「かんぽの宿」の期限付き売却規定が盛り込まれた。
また、「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の全株式の売却、「日本郵政」株式の3分の2までの売却、などが法律に明記されている。
「かんぽの宿」疑惑浮上によって、「郵政利権化」の疑いが極めて濃厚に浮上してきたのであるから、3年ごとの見直しに該当する2009年に、「コア部分」を修正することが不可欠である。
「コア部分」とは、
①郵政民営化委員会委員の刷新
②日本郵政株式会社代表取締役の刷新
③「かんぽの宿」および「メルパルク」売却規定の凍結
④日本郵政株式会社株式売却規定の凍結
⑤「ゆうちょ銀行」株式および「かんぽ生命」株式の売却規定凍結
である。
竹中氏が株式会社形態に移行したことをもって「民営化」と称している。であれば、「株式会社形態」を維持すれば「民営化」を逆戻りさせることにはならない。「株式会社形態」を維持しつつ、上記の①~⑤までを、直ちに実施するべきだ。
委員構成と経営トップを中立なものに改め、資産売却や株式売却をいったん凍結する。「かんぽの宿」疑惑などの全容を解明し、問題を完全に解消した段階で、資産売却や株式売却などについて、国民の見地に立って最も望ましい方策を決定すればよい。
大きな疑惑と問題を抱えたまま、資産売却や株式売却を強行すれば、取り返しの付かない事態を引き起こしかねない。
「かんぽの宿」疑惑が拡大し、「郵政民営化見直し」論議が浮上した途端、小泉元首相や竹中平蔵氏が慌てふためき、必死の形相で見直し阻止活動を展開している。
上述したように、小泉氏や竹中氏が「かんぽの宿」売却疑惑の不正を激怒するなら理解できるが、疑惑を否定し、重要な疑惑に頬かむりする姿勢自体が、新たな疑惑になっている。
小泉竹中一家にとって、この時点での「かんぽの宿売却凍結」、「株式売却凍結」、「郵政民営化委員および日本郵政代表取締役刷新」は、絶対に認められない事項なのだと推察される。
「郵政利権化」、「郵政米営化」が成就した段階で「成功報酬」的なものが竹中氏らに付与される契約になっているとの邪推も現実味を帯びる。
この意味で、上記①~⑤を実行することが強く求められる。
ところが、3月18日付日本経済新聞朝刊に「郵政民営化委員に田中直樹氏を再任」の見出しを付した記事が掲載された。
郵政民営化法は郵政民営化委員会委員を内閣総理大臣が任命すると規定している。法改正によりこの委員を国会同意人事に変更することが求められる。
日経記事が真実だとすると、麻生内閣が田中氏の再任を容認したことになる。麻生首相は国会で「郵政民営化に反対だった」、「郵政民営化4分社化の見直しが必要」と明言したが、その発言に沿って考えれば、委員の刷新が必要になる。ところが、実際の行動は違う。
ここで浮上するのが、麻生鳩山一家と小泉竹中一家の「手打ち」疑惑である。麻生首相と鳩山総務相が連携して展開した「郵政民営化見直し論議」、「「かんぽの宿」疑惑追及」が、自民党内抗争を有利に進めるための政治目的に利用された疑いが浮上するのだ。
小泉元首相が「笑っちゃうくらいあきれた」発言に連動して、自民党内での「麻生おろし」、定額給付金法案造反、新党設立などの動きが本格化した。
ところが、その後、小泉元首相が「政局から手を引く」意向を表明し、「麻生おろし」の動きが後退した。その一方で、小沢一郎民主党代表周辺への国策捜査が展開された。
鳩山総務相は東京中央郵便局建て替え問題にも介入したが、その後、日本郵政と折り合いをつけた。
鳩山総務相は日本郵政を厳しく追及する振舞いを示しているが、よく観察すると、すべての側面で「寸止め」している。西川社長更迭論も宙をさまよったままだ。「かんぽの宿」売却関係資料も日本郵政株式会社法第15条に基づく「立ち入り検査」を実施して、全容を解明できたが、実行しなかった。国会に報告すると明言しながら、現段階でも詳細が国会に報告されていない。
「郵政民営化推進派本尊のひとつ「アフラック」が定額給付金宣伝に見えるCMを放映していることも見落とせない。
野党はこれまで鳩山総務相と連携して真相解明を進めてきたが、鳩山総務相の行動に遅れが見られるなら、国政調査権を積極活用することが求められる。
参議院は野党が過半数を確保している。問題を闇に葬らず、全容を解明しなければならない。まずは、郵政民営化委員会委員と日本郵政最高幹部の刷新が不可欠だ。「郵政民営化見直し」に対する麻生内閣のスタンス変化を見落とさず、野党は国政調査権を活用して全容解明に進まなくてはならない。
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